大和の画家を訪ねて

by Akiko

大和の魅力のひとつは、何と言っても歴史的芸術作品の数々。正倉院収蔵の宝物のみならず、普通の社寺で案外あっさりと佇む魅力的な石像物に遭遇し、感動することも多い。将来まだまだ発掘されていない芸術作品が眠っているのではないかと思うと、ワクワクする。

過去だけでなく、現在も大和には活躍されている多くの作家さんたちがいる。

『光へ』

ちなみに、奥(おく)大和に対して表(おもて)大和なんてあるのかしら、と思いつつ検索すると、何の関連情報も得られず。とは言え、同じ大和。ということで、今回は表大和、橿原の画家、大西節子さんと彼女の作品について。

大西節子さん。以前からその独特の作風だけでなく、50歳で芸術大学に入学されたというご経歴も気になっていた。近くで個展をされるという情報をゲット。早速足を運んできた。写真で作品は拝見したことはあったものの、現物を間近で見ると、やはり5感に訴えるものがある。

まずは、作風から。油絵なのに、油っぽさが全くない。どちらかと言うと粉っぽいサラッとした表面。暖かくて、ほっとする。なぜかな、と思ったら、そうか、私の大好きな飛鳥の古墳壁画を思い出すからか。立体的なのに平面的な気もする。やはり壁画チック。さすが大和の画家!

『光へ』は、バックも髪も肌も黄粉色だけど、実はどこをとっても同じ黄粉色でない。優しくも強くもある希望を見る眼差しに、勇気がもらえる。

一番気になったのは、対になっているこの二作品。陽と水。暖と寒。一方が吐いた空気を他方が吸っている風で、並んでいる作品の中間地点に立つと、なるほど、空気が静かに流れているのを感じる(!)。気がつくと私まで深呼吸していた。

さて、実際にお会いして大西さんのお人柄にもまた感動。画家というと若い時に美大を卒業して、といった印象がある。が、稀に大西さんのように50代で作家活動を始められた方にお会いして、また勇気づけられる。才能に驕らず努力を惜しまない、しなやかな強さは作品にも滲み出る。

個展の最終日の最後の一時間にギリギリで滑り込んで、稚拙な質問を重ねた私に、丁寧に答えてくださった。現代大和の画家に1300年前の古墳壁画を感じることができ、幸せな気持ちで個展を後にした。

(写真は大西節子さんのご好意で当ウェブサイトに掲載の許可をいただいた。大西さん、ありがとうございます。)

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