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東の 野にかぎろひの 立つ見へて かへり見すれば 月かたぶきぬ

(柿本人麻呂:万葉集 148

大伴家持らは大和の地で日本最古の歌集、万葉集を編集した。奈良県宇陀市周辺は多くの歌の中に出てくる。

この歌は、柿本人麻呂が692年に、持統天皇の皇太子、軽皇子に随行して宇陀市阿騎野を訪れた時詠んだ。軽皇子は、父、草壁皇子を偲んでこの地に狩に来ていた。この地はまた、祖父である天武天皇が吉野から出て壬申の乱でも通ったゆかりある土地。その後文武天皇となるが、自身も707年に18歳という若さで一生を終える。どんな気持ちで東の炎立つ朝焼けを、そして西の空にまだ残る月を、人麻呂と一緒に眺めたのだろう。

あれから1300年以上経った今、令和の時代。地球には70億人以上の人たちが住み、一日で地球の反対側を旅行できる時代。だが、当時旬を誇った大和のさらに向こう、奥大和の魅力は、今も健在だ。家持が万葉の歌を集めたように、さまざまな旅の名所を、今の私たちの感性で集めてみたい。ということで、大好きな奥大和を世界の人々に訪れてもらおうと、奥大和万葉旅倶楽部なるものを立ち上げた。ぜひお楽しみあれ。