北向きお地蔵さん、ありがとう

By Akiko

来週からここは車でいっぱいだろうな、と思いながら、人っこ一人いない道に歩を進める。大宇陀。来週あたり開花が始まるであろう、かの有名な又兵衛桜から50メートルほど下った田んぼ道に、この「北向きお地蔵さん」は、名の通り北を向いておいでになる。お供えは、みかんと柿が一つずつ。

名前に「北向き」と付くからには、何か由来があるのかと説明文を探すが、特に何も言及がない。

そこで家に帰ってから調べると、「北向き地蔵」についておおよそ以下のようなことが分かった。

  • 地蔵が北向きなのは珍しく、全国でも400体程度しかない(https://www.shibata-shotenkai.com/history_003/)。
  • 本来「偉い人」は北に座り、南を向く。これは中国の「王者南面」に基づき、奈良の大仏や御所もこれに倣い南を向いている(https://www.shibata-shotenkai.com/history_003/)。
  • 一方、北向きの呼称は「尊像が北向きに安置されているということではな」く、「地蔵菩薩の浄土である佉羅陀山は南方にあって、ここに座すお地蔵様は、おのずと北を向くことになるから」という説もある。(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000188784)。
  • 他方、地蔵の住処が南方だというのは、インド人の世界観との説も

https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000188784)。

つまり・・・、はっきりとはわからないよう。

いずれにせよこの「北向きお地蔵さん」は、しっかり北を向いてらっしゃる。見回すとこの田んぼ道は狭く、北向き斜面に立派な桜の木が立っている。ので、その下はお地蔵さんをするお祀りするにふさわしい場所に思える。あまり偉そうにしていないお地蔵さん、見守ってくれてありがとう。

ちなみに又兵衛桜の3月22日現在の開花状況は以下写真のとおり。開放的な山を背景にちょうど満開のたくさんの黄色い水仙。北向きお地蔵さんのお陰かどうかはわからぬが、元気がもらえるのどかな散歩道であることは間違いない。何かいいこと、ありそう!

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