冬こそ登りたい 近畿のマッターホルン高見山

By Nami

登れば、別世界

山頂まで3時間。今までいた世界が眼下に広がる。360度の見事な眺望に、しばし寒さも忘れる。割とお手軽に非日常感が味わえるのもいい。

手軽に非日常を味わえる雪山

雪中登山という言葉を聞いたことはあるが体験したことはない。寒いのが苦手なので、スキーも極力行きたくはない。しかしこの度、仕事の関係で登ることとなった。

装備が大変そうだが、今後使うかどうかわからないものを購入することは避けたい。というわけで、

娘のスキーウェア(娘が購入するときに半分出資しておいてよかった)

UGGブーツにミニアイゼン

ごつめの手袋

ネックウォーマー

でいこうと心に決めた。

登山の前々日UGGブーツにアイゼンを装着しようとしている私を見て、雪中登山経験者の同僚が必死の形相で止めてきた。防水がきかない靴はご法度。足先が冷たくなると何もできなくなる、と。数日降り続いた雪で,遠目に見える山々はまさに信州。あの一つが高見山ならば、と靴だけは友人から譲り受け、登山に臨む。

9時 高見登山口出発。1時間ほどで標高差300mの小峠着。ここから勾配がきつい。今までいた世界がみるみる眼下に広がる。

今までいた世界が眼下に広がる

気が付けばあたりは真っ白。UGGブーツを止めてくれた同僚に感謝しつつ、急いでアイゼンをつける。どんどん深くなる新雪に一歩登っては半歩ずり落ちるを繰り返す。アイゼンの意味はあるのか・・一人毒づきながらも、霧氷の美しさに息をのむ。

霧氷の美しさに息を呑む

下山中の方がすれ違いざまに「山頂は風がきつい。とばされますよ。」と忠告。何を?と思うが数分後、山頂につかずとも体感。流石に大人なのでとばされはしないが、雪合戦かと思うくらいの大きな雪塊が樹上から飛んできて、体や顔にビシビシあたる。それでも小峠から2時間。急に空が開けたかと思うと360度の展望、頂上だ。見事な眺めに寒さも忘れる。

山頂の高角(たかすみ)神社には瀬織津姫命と神武天皇東征の先導を務めた八咫烏も祀られている。

雪山と聞くとハードルが高いように思うが、高見山は地元民なら小学生でも登っている。山頂まで3時間ほどと、割とお手軽に非日常を味わえるのがいい。

帰りは杉谷平野分岐から平野方面へ行くとたかすみ温泉からバスが出ている。冬期に榛原駅から出る直通の霧氷号だ。やはり冬にこそ登ってほしい山ということだろう。

高見登山口トイレあり

山頂バス運賃(片道). 榛原駅 → 高見登山口 大人 1,080円 小児 540.

たかすみ温泉前 → 榛原駅 大人 1,120円 小児 560.

霧氷バスご乗車特典. 山のお問合せ. 東吉野村役場地域振興課 TEL 0746-42-0441.